イズ エー Is A.
2006年 02月 05日
<あらすじ>
渋谷で大量の死者を出す無差別爆破事件が起こり、
“ホーリー・ナイト”を名乗る14歳の犯人(小栗旬)が捕まるが、
少年法に守られ4年で少年院を出院する。
事件で最愛の家族を失った刑事(津田寛治)は彼の社会復帰を知り……。
(Yahoo!ムービーより)
<感想>
題材はすごく重たいです。
少年犯罪、少年法、家族、被害者側と加害者側のそれぞれの苦しみ。
ここ最近、目に見える形で増えている少年犯罪がテーマの作品です。
話は被害者側の父親(津田寛治)と加害者側の父親(内藤剛志)の視点で進みます。
果てしない怒りと悲しみより復讐心が消えない気持ちと
事件を起こした子供への愛情と理解できないという葛藤。
子供を思うあまりに心の中に深い闇を抱えてしまったそれぞれの父親を
津田さんと内藤さんがすばらしい演技で表してくれています。
ただ、あまりに父親目線な為、少年(小栗旬)の内面が全く分からない。
一つ目の事件なり、二つ目の事件なりの理由が全くわからんんのですよ。
どちらの事件も計画性があって衝動的なものじゃないので
独善的な思考が働いたものではないのはわかりますが
内に秘めている繊細な狂気とでも言うのでしょうか、
そういうもので殺されたとしてもしゃれになりませんって。
言葉で伝えるにしては曖昧なものかもしれないけど
もっと少年に言葉を使わせてあげないと
少年犯罪を題材とした映画としては未完成な気がします。
きっと観終わって感じた中身がないという印象は
そこからきたものなのかも。
ただ、親目線としてはいいものだと思います。
内藤さんの子供へ対する愛情や葛藤が
じわじわとした狂気に変わり、
それが捩れに捩れた愛情となったラストは
切なくて、辛い。
もう少し、少年の内面を表すものがあったら…
惜しい作品です。
ただ、少年犯罪や少年法というものを
考えるきっかけとして
見ていただければと思います。
<ひげ坊主的評価>
100点満点で70点。
by higedandy2004
| 2006-02-05 01:09